とっても竜な気分 ♪野望の銀輪!

29年来の相棒チタンロード TiG Titania OZ-R011を駆る物好きの次なる野望は?!

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不死鳥計画 その4

帯状疱疹のあとはまだ痛々しい感じですが…

フレーム帰ってきた~~~♪(歓喜

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雨の中、顔なじみの飛脚のお兄さんが運んできてくれました。
やふ~やふ~!
病気療養で仕事もせず1週間もダラダラさせられた乾いた体に
チタンフレームがしみ込んでくるぜ~ くぅー!
早速チェックチェック!!

と、その前に…
こういう修理ネタを書くにあたって御託を並べてみる。

修理には「見せる修理」と「使える修理」ってのがあると思う。
これをきちんと見極めないと場合によっては自分の命か他人の命を差し出す結果に
つながることもある。
使うには少々問題あるが、見せることを優先することもあれば
見映えは多少犠牲にしても、問題なく使えるようにする場合あるし
その両方を気にしながら妥協点を探っていく場合もある。

同じことが「プロに任せる」か「DIYする」かということにも言える。
これも命にかかわることがある話。

自転車は(今のところ)趣味でやっているので趣味人目線なのだけど
本業では、お客様の趣味の中からお仕事を頂いている身分なので
こうした内容のブログを書いているとやや複雑な心境の時がある。
「生きてるからいいけど、死んでなくてよかったね」な内容にならないように
できたら少しでも目いっぱい趣味を満喫できるように
「これ以上は危ないよ」って判断基準を養える参考になればと思います。

ちなみにスキル的に、今回のクラックを直せと言われればできると思います。
溶接で一番得意なのはTig溶接なのでチタンへの経験値が少々少ない位。
肉薄のクラックはインコネルばかり直してた時期があるので自信はあるかな。

やればできそうだけど今回は「プロ」にお任せしたのは
たぶんフレームの治具が必要になりそうなのでそれを用意しなければならない手間と
入手後のチェックで判明したBB部のクラック。

フレームに溶接のために熱を入れるので、当然寸法を出してある程度固定された状態にする必要はあるだろうから治具は必要になると思う。
治具買ったらフレーム作れちゃうじゃん(^^♪
ま、ちょっと直すのに買うレベルのものではないな…さすがにw
それでもいずれは欲しいと思っていたので、少々心揺れたのは事実。

それを断ち切ったのはBB部にもクラックがあると分かったのが決定打。
前にも書いたけどTitaniaのBBはチタンパイプにアルミスリーブを入れて
そこにネジを切ってある構造になっているので、そこに溶接の熱が入った場合
あまりよろしくないというか、元々入っているものを修正したりして使うより
ずこーん!と取っ払ってしまって、びびー!と溶接して
ぎゅぎゅーっと入れ直した方がきちんとしっかり直しやすい
それを自前でやるとなると…また治具やら工具やらが必要になるし
今旋盤使えないのでアルミスリーブは外注になるから…
と、頭の中でぐるぐるーっと考えた結果なのです。

長い前置きはここまでにして、やっと本題。

まずは一番ひどかったトップチューブ’。

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これがこんな具合に…

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画像だと修理した部分がはっきり分かりますが、実際はここまで目立っていません。
クルマなら間違いなく、薄くパテあててペイントしたら分からなくなるパターンです。
個人的にはどんな感じでトーチを入れて進ませたのか非常に興味あるところです。
(溶接のビード見て想像するのが楽しい)

今回一番面倒だったはずのBB部分

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ビードの盛加減が増してマッシブな感じにw
アルミスリーブって外側暖めて圧入かなぁ…
などと考えてる時間が至福の時…。
BBの幅が若干変わるのでごめんなさい!的な話は事前にされていましたが
全幅で0.2㎜程度だったので昔の玉当たり調整するようなBBならともかく
カートリッジタイプのBBとかなら気にならないレベルかと。
心配しすぎて1㎜のシムとか買っちゃったのはご愛敬w

さてさて
画像を見て分かる通り、クラックがあった部分が溶接されているわけですが
溶接痕をきれいにならしてしまいたくなりませんか?
見た目重視ならやってしまうところですが
強度的にはやらない方が断然上なので、ここはやらない方がいいでしょう。
これがショーモデルとかならきれいにならした方が断然かっこいいですけど。
ちょっとやりたい衝動も…w
そこは抑えてフレームを仕上げてしまいましょう。

クラック修理は終わったので、細かい使用傷などをとって磨きます!
と、その前に年に一度使うか使わないかのリアフォークエンド修正具を引張り出して
エンドの狂いを確認。ついでにシートチューブを軽くリーマーかけておきました。

さ!趣味性の高い作業「磨き」です!!
磨きに磨いてピッカピカもかっこいいかもしれませんが
チタンといえば独特の「鈍く光る」感が大事だと思いませんか?思いますよね?
ティグのフレームはハンドポリッシュで仕上げられているのですが
あのヘアラインな感じがチタンのたたずまいをより一層引き立たせていて
めちゃくちゃかっこいいです。
だいぶ前の話ですが…

「あの仕上げ方教えてください!!」とティグの担当者様に直訴したところ
「ノウハウなので皆までは言えませんが…」と、身近で入手可能なもので
近い風合いに仕上がる方法を伝授していただきました。
その後自分でもあれこれ試行錯誤を重ねてだいぶコツが分かってきました。

「あ、これ材料よりも”手の加減”だわ~w やって覚えるしかないわ~」

てな感じです。だいぶお好みな感じに仕上げられるようになりました。
ま、もちろん使う材料も大事なんですけど…。
ヘアライン仕上げの基本的なものはYoutubeなどにもたくさんあります。
金属磨きなら基本は王道「ピカール」から始めるのが鉄板です。
大事なのは失敗した時にリセットする方法を身に付けておくことかと思います。
機械仕上げとかだと引き返せなくなっていることもありますが
手仕上げならば結構やり直しがきくものです。
不安なら目立たないところで何度か試してみてからでもいいと思います。


磨きあがったフレームを自然光で撮ろうと思いましたが、あいにくの雨です。
ここは出し惜しみするとして…不死鳥計画は次の段階へ!

今、ヘッドチューブを掘りたい衝動と戦っています。

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